来たるECB理事会に備えよ!EU最大のターニングポイントは間違いなくここ。 | Akatsuki Financial Report
  1. TOP
  2. ECB
  3. 来たるECB理事会に備えよ!EU最大のターニングポイントは間違いなくここ。

来たるECB理事会に備えよ!EU最大のターニングポイントは間違いなくここ。

bn-qj349_draghi_j_20161020105402

10/20にドラギ総裁が主要政策金利(リファイナンス金利)を0.00%に据え置きしてから早一か月半が経とうとしているが、ディフェンシブな内容に終始した前回の発表に対して今回は各国情勢も巻き込むドラスティックな展開が期待できそうだ。
現在、800億ユーロ規模の債券買い入れを行っているECBだが、2017年3月以降の延長を12月の理事会で決断するとみられており、市場参加者の目は8日に行われるドラギ総裁の発言に注がれている。

規格外のQEプログラムの正体

 1月22日、欧州中央銀行(ECB)は、国債買い入れ型の量的緩和(QE)の実施を決定した。写真は2014年8月、独フランクフルトのECB本部で撮影(2015年 ロイター/Ralph Orlowski)

 1月22日、欧州中央銀行(ECB)は、国債買い入れ型の量的緩和(QE)の実施を決定した。写真は2014年8月、独フランクフルトのECB本部で撮影(2015年 ロイター/Ralph Orlowski)


今年の3月に資産担保証券(ABS)の買い入れプログラムと担保付銀行債(カバードボンド、CB)に加えて公的部門の債券購入が発表された。ユーロ圏19カ国の国債の買い入れとドイツ、フランス、スペインの政府機関債、EUの国際機関債の購入が内容となっており、ECBへの出資割合(capital key)によって債券の買い入れ額が変わるシステムで、デフォルトした場合は20%の共有負担となっている。3月の発表当時、急速なユーロ売りが発生し、欧州株が急上昇したこともあり、今回の発表でさらなるユーロ安ドル高が進む可能性もある。量的緩和とは聞こえがいいもののECBが大量の爆弾を抱えていいると言い換えてもいいだろう。元々信用力のない欧州各国が発行する債券を買い取り、デフォルトの合図を待つ様子はリーマンショックのモーゲージ債を思い出させる構図である。あの時も住宅神話という架空の信用力を創造し、一瞬で泡になってしまったが、今回も各国情勢が不安定な中、世界的な金融緩和に対抗しまいと焦る姿勢は長期的なビジョンを感じさせない特攻である。

注意すべきこと

おそらく金融緩和は延長されるというのが大方の見方であるが、その可能性は高いと思われるます。市場が延長を織り込んでいるのでこの決定でさしたるインパクトはないかもしれませんが、より一層のユーロの安定、欧州株の安定につながるのではないかと思う反面、日程的に選挙が続くこともあり(イタリア、オーストリア)、ここが反EUになってくると通貨の安定性は疑われる上、積み上げた債券が引き金になる可能性もあるかなとは思います。より一層のドルユーロレートの差が接近しバリティ+6~7円が想定為替レートです。その一方で延長をきっぱり断ってしまうとトランプラリー、日経平均の上昇を受けたユーロ高、株安になってしまう上、市場の織り込みもないため、かなりダメージは色濃く反映されると思います。そうなると来たる欧州選挙戦に悪影響を及ぼすことになってしまうので理由がない限り減額はあっても打ち切りはないと思われます。逆にここでECBが弱気に出ることがあればデフォルト警報のサインとみて間違いないでしょう。激動のEUから目が離せません。