OPEC合意でみせた「中東の裏の顔」。本当に減産合意は信じていいのか | Akatsuki Financial Report
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OPEC合意でみせた「中東の裏の顔」。本当に減産合意は信じていいのか

Oil Pumps

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OPEC減産合意決定からはや一週間が経とうとしているが、市場の勢いは止まらない。WTIの原油先物価格は続伸の52ドル。50ドル近辺をキープできればドル高が併発する円安株高のスパイラルに繋がるとみられており、今後の需給関係改善に期待がかかっている。しかし、そんな中で減産合意に関して疑問符を抱くような声も上がってきたようだ。

減産合意に至るまで

まずはOPECのアナウンスが原油価格に及ぼしてきた影響から辿っていきたいと思います。元々、石油市場はメジャー→OPEC→需要家→市場という時代変遷をなしてきており、過去10年以上にわたってOPECの力は徐々に衰弱してきました。そんな中で2014年後半にあった米国の金融緩和終了を受けてドル高が発生したとともに大幅な原油価格下落が併発しました。原油安を受けて同年11月のOPEC総会では生産増の期待があったものの、結局は減産見送りのアナウンス。市場はまたしても原油価格の下落に傾きました。2015年6月は現状維持、翌年の6月も増産凍結合意せずと決定打に欠いてきたのだが、8月に増産凍結に向けたアナウンスをすると原油価格は反発。9月に合意、11月に詳細合意と一気にアナウンスを畳みかけてきました。しかもOPECだけの合意ではなく、非加盟国も一日60万バレルの減産を要求される合意だったので、市場は早期の原油価格上昇を期待して50ドルバレルまで反発。12月の非OPEC会合が次なる争点になるとみられています。ここまでがざっくりした流れなのですが、次は合意内容について検討していきたいと思います。

限りなく怪しい文書

大まかに分けて4項目の条項が含まれている。
1 OPEC全体で生産量を日量120万バレル減らし、OPEC全体の生産の上限を3250万バレルと定める。

2 2017年1月1日からの執行で、期間は6か月間。半年間の延長も可能。

3 監視委員会の設置。クウェートが議長国となり、2つの非OPEC加盟国とアルジェリア、クウェート、ベネズエラで構成。

4 ロシアを含む非OPEC加盟国の日量60万バレルを含む。

これらの条項が守られた場合、大幅な需要供給関係の改善になるとみられていて、米国のシェールガスの増産を織り込んでも50ドルは切らないと言われています。そもそも11月は世界的に原油が過剰になりやすいため、実感として数字に表れるのは来年以降となりますが、もしOPECが120万バレルの減産に成功した場合は2017年の下半期に供給不足が生じると言われていて、非加盟国も協調して180万バレルの減産に成功すると通年で供給不足が生じると言われています。
そうなると価格の反発は必然で、原油価格がもう一段上の水準まで跳ね上がることでしょう。ただし疑問符が付くのはその実行力のところです。来年の2月になるとi月の生産量データがわかるので判断できるのですが、今回の文書にいくつか怪しい点を見つけたので書き出してみました。

数値改ざんによる減産の緩和

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減産において各国の10月の生産量がベースになっているのですが、これが明らかに高く見積もられています。そもそもアンゴラ、エクアドル、イラン、カタールあたりは数値が盛られているのですが、悪質なのはサウジ、UAEの二カ国で、それぞれ48.65万バレル、13.95万バレルの減産が義務化されているのですが、そもそもの生産量が高いために減産負担は軽いと思われます。

インドネシアの資格停止問題

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今回から純輸入国認識になったインドネシアですが、確かに石油生産はしているわけで、それも日量77.2万バレルという無視出来ない量。おそらくインドネシアを資格停止にしたのは日量77.2万バレルを加盟国に割り振れるからで、それに伴う減産負担軽減が狙いだと思われます。そうすると日量42万バレルの減産で全体を3250万バレルに抑えられる計算になり、OPECはルールを守っても市場が反応しないなんて言うことにもなりかねません。